2018年 新年のご挨拶
明けましておめでとうございます。
昨年は93棟の住宅を設計しました。
熊本地震後、あちらこちらが更地となり、復興が始まりますが、意外と多い住宅の建て方はこうです。
確認申請のみを行う設計事務所(代理申請事務業者)に依頼して確認申請をおろす。
本来は設計者が構造設計を行うところを、構造設計の経験が浅い、難しい、自信がない、時間がない等の理由により構造設計はプレカット工場に丸投げする。
プレカット工場は、長期荷重による梁の大きさの検討は行うが、短期荷重による検討を行うと耐力壁の位置の変更等も出てきて確認申請が既におりている等の理由により短期荷重での検討はせずに構造設計を簡単に済ませてしまう。(短期荷重とは地震や台風などの時にかかる外力のこと)
いったい誰が構造を設計しているのかわからない状況でも確認申請さえ下りれば建てられる。
このような建て方は実に多い。
横からの力(地震や台風)が来なければ、横からの荷重がかからないので長期荷重の検討だけで済むのですが、熊本地震では本震の後3000回以上もの余震が来ていることを考えると、短期荷重での設計も重要であることがわかります。
現建築基準法では、4号特例を使って確認申請を提出すれば(ほとんどが4号特例を使う)確認申請検査機関には構造図の提出の義務はありません。
しかし、提出しないだけで構造の検討をしなくてよいと言うわけではありません。
そこのところを勘違いしている設計者や施工者が実に多いことに驚きます。
熊本地震後、色んな検討をした結果、行き着く先は構造計算(許容応力度計算)を行い安全を確認することと再認識し、住宅は木造3階建てあるいは500㎡を超さなければ構造計算の義務はありませんが、昨年夏より全棟で構造計算を行い安全な建物を設計しております。
構造力学や構造計算は難解な部分があり、一級建築士でも構造計算ができるのは一割もいないと言われています。
開業当初仕事がなく将来の事が不安だった頃、デザインよりは先ずは構造と思い、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、壁式RC造、RC擁壁、杭基礎、木造をパソコンなしで構造計算を手計算で行い構造を理解しました。許容応力度計算が手計算でできる。これは設計を行う上で最大の武器となりました。
コンピューターではなく手計算で構造計算ができるように、のめり込んで頑張ったあの頃の自分が、今の自分をささえています。
人生無駄な部分は一切ありません。
熊本地震の日奈久断層帯と布田川断層帯は、それぞれが三つの区間に分かれており、4月14日の前震で日奈久断層帯の高野ー白旗区間、4月16日の本震で布田川断層帯の布田川区間がそれぞれ大きく動きました。
両区間以外の4区間はまだ動いておらず、今後さらなる地震が来る可能性は大きいと言われています。
それがいつ来るかは分かりませんが、今後大きな地震がまた来ると言う前提で設計しなければなりません。
昨年は忙しさに負けてブログを一度も書きませんでしたが、今年は時間の許す限り構造計算の重要性を啓蒙していきたいと思っております。
1.建築基準法(仕様規定)と住宅性能表示(耐震等級)と構造計算(許容応力度計算)の違い
2.建物にかかる地震力の流れ
3.鉛直構面の検討
4.四分割法と偏心率の違い
5.水平構面の検討(2階床構面、火打水平構面、屋根水平構面)
6.梁せいの検討
7.梁断面欠損(実物模型)
8.梁上耐力壁の低減検討
9.梁継ぎ手(弱点)の優先順位
10.梁継ぎ手と耐力壁の位置関係
11.接合部の検討
12.層間変形角の検討
13.基礎の検討
14.耐震診断(精密診断法)
等、ブログで模型や図面を使い動画で一般の方にも分かりやすいように解説していきたいと思っておりますので今年もよろしくお願いします。
昨年は93棟の住宅を設計しました。
熊本地震後、あちらこちらが更地となり、復興が始まりますが、意外と多い住宅の建て方はこうです。
確認申請のみを行う設計事務所(代理申請事務業者)に依頼して確認申請をおろす。
本来は設計者が構造設計を行うところを、構造設計の経験が浅い、難しい、自信がない、時間がない等の理由により構造設計はプレカット工場に丸投げする。
プレカット工場は、長期荷重による梁の大きさの検討は行うが、短期荷重による検討を行うと耐力壁の位置の変更等も出てきて確認申請が既におりている等の理由により短期荷重での検討はせずに構造設計を簡単に済ませてしまう。(短期荷重とは地震や台風などの時にかかる外力のこと)
いったい誰が構造を設計しているのかわからない状況でも確認申請さえ下りれば建てられる。
このような建て方は実に多い。
横からの力(地震や台風)が来なければ、横からの荷重がかからないので長期荷重の検討だけで済むのですが、熊本地震では本震の後3000回以上もの余震が来ていることを考えると、短期荷重での設計も重要であることがわかります。
現建築基準法では、4号特例を使って確認申請を提出すれば(ほとんどが4号特例を使う)確認申請検査機関には構造図の提出の義務はありません。
しかし、提出しないだけで構造の検討をしなくてよいと言うわけではありません。
そこのところを勘違いしている設計者や施工者が実に多いことに驚きます。
熊本地震後、色んな検討をした結果、行き着く先は構造計算(許容応力度計算)を行い安全を確認することと再認識し、住宅は木造3階建てあるいは500㎡を超さなければ構造計算の義務はありませんが、昨年夏より全棟で構造計算を行い安全な建物を設計しております。
構造力学や構造計算は難解な部分があり、一級建築士でも構造計算ができるのは一割もいないと言われています。
開業当初仕事がなく将来の事が不安だった頃、デザインよりは先ずは構造と思い、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、壁式RC造、RC擁壁、杭基礎、木造をパソコンなしで構造計算を手計算で行い構造を理解しました。許容応力度計算が手計算でできる。これは設計を行う上で最大の武器となりました。
コンピューターではなく手計算で構造計算ができるように、のめり込んで頑張ったあの頃の自分が、今の自分をささえています。
人生無駄な部分は一切ありません。
熊本地震の日奈久断層帯と布田川断層帯は、それぞれが三つの区間に分かれており、4月14日の前震で日奈久断層帯の高野ー白旗区間、4月16日の本震で布田川断層帯の布田川区間がそれぞれ大きく動きました。
両区間以外の4区間はまだ動いておらず、今後さらなる地震が来る可能性は大きいと言われています。
それがいつ来るかは分かりませんが、今後大きな地震がまた来ると言う前提で設計しなければなりません。
昨年は忙しさに負けてブログを一度も書きませんでしたが、今年は時間の許す限り構造計算の重要性を啓蒙していきたいと思っております。
1.建築基準法(仕様規定)と住宅性能表示(耐震等級)と構造計算(許容応力度計算)の違い
2.建物にかかる地震力の流れ
3.鉛直構面の検討
4.四分割法と偏心率の違い
5.水平構面の検討(2階床構面、火打水平構面、屋根水平構面)
6.梁せいの検討
7.梁断面欠損(実物模型)
8.梁上耐力壁の低減検討
9.梁継ぎ手(弱点)の優先順位
10.梁継ぎ手と耐力壁の位置関係
11.接合部の検討
12.層間変形角の検討
13.基礎の検討
14.耐震診断(精密診断法)
等、ブログで模型や図面を使い動画で一般の方にも分かりやすいように解説していきたいと思っておりますので今年もよろしくお願いします。
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